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和歌山県が設定した「放置空き家判定の新基準」とは

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2015年2月に施行された「空き家対策特別措置法(特措法)」。

それ以来、放置空き家や空き家の管理について高い関心が集まるようになりました。

特措法では各自治体が空き家の現況を調査し、管理が不十分な空き家に改善に向けた助言や指導、勧告、命令などを行います。

中でも「著しく危険」「著しく衛生上有害」などと判断された空き家は、「特定空家等」として強制退去の対象となることも。

ただ、空き家は個人の財産であるだけにその判断基準が問題とされてきました。

これを受け、和歌山県では2017年2月に特定空き家の判定基準を設定。

建物の状態を数値化する判定基準は、客観性があるとして評価されています。

その基準とはどのようなものなのでしょうか?

所有する空き家が特措法の対象となるか不安を抱えている方のため、具体的にご紹介していきます。

新基準設定に至った背景

和歌山県内では2013年の調査で、8万6千戸の空き家が確認されています。

空き家率は18%と全国で3位。

空き家対策が緊急の課題となっており、特措法施工前にも、2016年に景観法に基づいて建物を撤去する代執行を実施したことがあります。

特措法の施行によって、自治体は法律を根拠に空き家の撤去や危険防止対策に乗り出せるようになりました。

ただ、特措法の空き家に対する判断基準はあいまいで、それぞれの自治体に委ねられているのが現状です。

このままでは現場レベルで判断が難しく、しかもどの空き家から手をつければよいかわかりません。

そこで和歌山県では独自に、建物の傾きや基礎の変形の度合いを客観的な数値に置き換えることで、建物の状態を判断する基準を設定しました。

担当者が状態を評価しやすくすることで、対策の促進を狙っています。

和歌山市では独自に空き家除去補助制度を設けており、一定の条件を満たす空き家やその跡地を市が集会所や災害時の一時避難所として活用する事業にも取り組んでいます。

気になる新基準の内容とは?

和歌山県が設定する「特定空家等の判断基準(判断基準)」は、特措法のガイドラインを前提に定められています。

ガイドラインにおいて、特定空家等は次の4つの状態と定義されています。

  1. 「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」
  2. 「そのまま放置すれば衛生上有害となるおそれのある状態」
  3. 「適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態」
  4. 「その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態」

このうち、判断基準で詳しく定められているのは倒壊等のおそれのある状態です。

一見して「建物の半分以上が崩壊している」「大きく傾いている」といった場合、建物の除却などの措置を取らなければなりません。

さらに「基礎の不同沈下」「柱の傾斜」「基礎の破損または変形」「土台の腐朽または破損」など、17の項目について状態を評価することになっています。

建物は傾斜の角度など、項目ごとにA、B、Cランクのいずれかに分けられ、ランクごとに累積される評点が一定以上に達すれば特定空家等と判定されるわけです。

例えば「基礎の破損または変形」の項目では、次のように判断されます。

Aランク:損傷率 15%未満(軽微)
Bランク:損傷率 15%以上 65%未満(小破・中破)
Cランク:損傷率 65%以上(大破・破壊)

倒壊のおそれに関しては、たとえ評点が一定以上に達しなくても、周囲への影響度が高くCランクの項目がひとつでもあれば「特定空家等」に認定されます。

このほか、擁壁の状態や衛生上の問題、景観の問題などに関しても、周囲に著しく悪影響を及ぼしていると判断されれば評点が加算されます。

お隣との境界線や道路と建物との距離が近いと、影響度が大きく判定されるので注意しましょう。

判定基準設定による注意点

和歌山県の新基準では、倒壊のおそれがある建物の破損状態を詳しく設定しています。

衛生面や景観面などの基準は、国のガイドラインよりも多少具体的な例が示されているものの、それほど大きな違いはありません。

空き家が目に見えて傷んだ状態になっていれば、この基準のいずれかに当てはまると思ってよいでしょう。

そうなると修繕に費用や時間がかかり、撤去の際も危険な作業が必要です。

「特定空家等」と判定された場合、その後は敷地に対する固定資産税の優遇措置も受けられません。

管理が難しい空き家を所有している人は、早めに解体工事や売却などの方法を検討しましょう。

まとめ

和歌山県が設定した空き家に対する新基準についてご紹介しました。

現在は県が独自に設定している基準ですが、このような判断基準具体化の流れが、全国に広がる可能性は十分に考えられます。

「外壁が一部剥がれ落ちている」「少し傾いてきた」「窓ガラスが割れているところがある」。

これらの症状に心当たりのある人は、早めに対策を考えておくようおすすめします。

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